Good Bye! Google!

自他ともにGoogleをこよなく愛し、こよなく使い倒し、そしてどちらかというと中毒性すらあるのではないかと思ってしまうほど、とりあえずGoogleなくしては何も出来ないような生活に埋没していたのですが、ここ最近になってGoogleからの卒業という一大決心をしました。

Googleは、私の中でも“師”とも“友人”とも“ライバル”とも言えるような存在として、今まさに広がり行くフラットな世界におけるフラッグシップであることはおそらく十数年変わらない事実としてあると思っています。ただ、少し距離を置いてみたいなという気持ちがここ数ヶ月のうちに芽生えてきました。

ひとつは、ここ最近ニュースで伝えられるGoogleの動向が、ちょっと以前ほど自分の考えとシンクロしなくなってきてしまったことがあります。個人的な変化という側面も少なからずあるのですが、、、どこかちょっとGoogleという会社が持つ判断の基準が、ユーザーの思いとかを飛び越えて、政治的かつ資本主義的な面に偏ってしまっているような気がします。

言わずもがなGoogleはクラウドサービスの先鞭としてGmail,Google Docsなどの革新的なサービスを無料で提供し、ソフトウェアの持つ価値であったり、ユーザーのネットへ対する意味だったりを、ものすごい勢いで変革していったわけですが、それはどこかでユーザーが実現したい未来を真摯に受け止めて考え抜いた結果だったような気がします。でも最近は、権利者を無視してその権利を自社で抱え込んでしまうことを意図しているかのような無謀な著作物の電子化、ユーザーの思いを無視して政府への当てつけのように行った中国からの撤退、そういったニュースを見るにつけて、常人には考えもつかないような意図がそこにはあるのかも知れないですが、ちょっと疑問符がついてしまいます。新たな権益を獲得することに固執して、自らの存在の大きさを誇示しようとしてるかのような。

もうひとつの理由は、ちょっとこれは私自身の個人的な見解の変化に起因するものですが、Googleがユーザーにとって有益と思って行われてきた、情報やコンテンツ流通の拡大のための無料化至上主義に対して、限界を感じてきたというのがあります。発言すべき場やそれを議論したり受容する場(例えばブログとかTwitterとか)としてのコミュニティが自由でフリーであることは必要なことだと思いますが、一方で、ある責任を持って時間と労力を使って生み出されたニュースやコンテンツにとって、その収益を獲得するための手段が無料提供に限られてしまうことは、ものを生み出すことへのモチベーションを削いでしまっているのではないでしょうか。

逆に、Amazon Kindleなどの成功例からは、多くの消費者たちは、ある一定の品質とそれを購入し活用するにあたってのユーザービリティが確保されていれば、たとえ無料の情報やコンテンツが溢れているインターネットに簡単にアクセスできる環境にあったとしても、お金を払うことに抵抗はないのではないかと考えるようになりました。そういった購買へ誘う優れたインターフェースと利便性の高い購買の仕組みによって、本当の意味でのコンテンツ流通の多様化が実現したとき、多くの映画会社などのコンテンツ供給元が、ようやっとユーザーにとって価値のあるコンテンツを生み出すことに本気になってくるように感じます。

と、考えた時に、ユーザーにとって、お金を払ってでも手に入れたいというコンテンツがネットを使って簡単に入手でき、本当の意味でユーザーにとって価値あるコンテンツ流通が実現されるのは、単に無料化を進めるのではなく、コンテンツを生み出す側にとってもビジネスの対象として魅力的な流通経路の土壌を作り上げることではないかと思うようになりました。

ということで、長々と書いてきましたが、単純に言うと、今まで利用していた生活上不可欠ないくつかのツールについてGoogleへ依存している比率を少し下げてみようかと思いつき、とりあえず、ブログもBoggerからはてなダイアリーに移設してみました。移り気の激しい私の性格から、これでブログ引っ越し3回目ということになりましたが、はてなに期待するところはとても大きく、ここにしばらくお世話になりたいと思っていますのでよろしくおねがいします。