歴史が教えてくれること

しばらくご無沙汰してました。
最近チョット教養を豊かにするためもあって、あまり直接仕事と関係がなく、自分の興味にあった本を読むようにしていました。本屋や図書館で目につくものをとりあえず買ったり借りたりしていたら、特に意図していたわけではないのですが、歴史とその歴史をどのように認識するのかという問題を取りあげたものを多く読んでいたことに気づきました。

私の専門は歴史ではなく、また学生時代勉強をほったらかしにしてすっかり別のことばかりやってしまっていたので、偉そうなことは正直言えないのですが、そんなこんなで読んでるうちに気づいたのは、過去の出来事をどのように解釈するということはすなわち、今生きている世界がどのような時代なのか考えることと表裏一体になっているのだなあということです。

塩野七生さんの「ローマ人の歴史」を読んでいて思ったのですが、ローマ帝国皇帝の評価は時代によって大きく変わっています。同時代を生きた知識人が英雄として讃えた皇帝も、それから100年、さらに1000年と解釈する時代が変われば、悪帝となってしまうことも少なくありません。それは、多分英雄なのか悪帝なのかを判断する基準が、その歴史家が生きた時代の価値観に依存しているからのように思います。

そうやって考えると、今を生きる歴史家がどのように歴史を解釈していくのかに触れることは、少し今の時代がどのような時代なのか、垣間見えてくるように思います。いろんな価値観に縛られている中で、自分が置かれている状況や自分の考え方を客観的にとらえようとするのは難しいことですが、時折、こういった歴史の解釈の方法に触れながらそれを認識していくことで得られることは多いように思います。

過去の出来事を通して今を知ろうというのはちょっと逆説的過ぎるような気もしますが、、、。


ご参考までに最近読んだ本からいくつか…